「ユーザーが求めているものを提供すること」これがGoogleが目指している理念です。
被リンクが効かなくなった、SEOが難しくなった、SEO業者に依頼すると逆に順位が下る、と言われるようになってきましたが、それはGoogleが理念を達成するために、日々アップデートを繰り返しているからです。
では、なぜ被リンクが効かなくなったのでしょうか?
それは、ユーザーが求めているものを提供するためには、被リンクよりも別に考えなくてはならない課題があるからです。
それが、SXO(サーチ・エクスペリエンス・オプティマイゼーション)。
いわゆる、検索体験の最適化です。
SXO(Search eXperience Optimization)とは?
従来のSEOは検索エンジンの最適化でした。
それは、Hタグがどうとか、キーワードの位置はどこがいいとか、ページ内にキーワードは5%程度盛り込むとか、パンくずがどうとか、alt属性がどうとか、という検索エンジンを意識した順位対策がメインでした。
要するに、機械を相手に順位を上げることを目的とした対策というイメージです。
でも、2017年以降のSEO対策はそうではなく、もっとユーザーを一番に考えたSEO対策をしていこうぜ。とGoogleは言っているわけです。
それは、UX(ユーザー・エクスペリエンス)の向上です。UXとは「ユーザー体験」です。
WEBサイトにとってのUXとは、そのサイトが使いやすいか、わかりやすいか、面白いか、満足できるかということですよね。
このSEOとUXを融合させた言葉がSXOなんです。
これからは、もはや検索エンジンを最適化するだけでは物足りないです。
検索エンジンを最適化することは当然で、その上でユーザーの検索体験をどれだけ満足させることができるのか、が課題となってきます。
ユーザーの検索体験を最適化するには?
例えば、あなたのサイトに月間10万PVのアクセスが集まっているとします。
10万PVもアクセスがあるのであれば、それなりの売上を上げてくれていることでしょう。
しかし、それに満足していてもいいのでしょうか?
もしも、あなたのサイトにアクセスしている人の80%の人たちが1ページだけ観覧して離脱しているとしたら?
その人たちはどんな気持ちで去っていたのでしょうか。
もしも、こんな気持ちで去っていっていたとしたら、ユーザーはその検索に満足できていないのかもしれません。
でも、1ページ読んだだけでもこんな気持ちになった人もいるかもしれません。
こういうことを考えていくのがSXOです。
では、その満足度を測るにはどうすればいいかというと、「離脱率」や「滞在時間」や「再来訪」をチェックすることが大切です。
これは、Googleアナリティクスを見ればわかります。
離脱率とは
サイトを訪れたユーザーのうち、そのサイトの最終コンバージョンに至らずに去った人の割合を示すものです。
例えば、あなたのサイトの目的がメルマガ登録だったとすると、どのくらいのアクセスが来ていて、どのくらいの人がメルマガ登録をしているのか、またはしてないのかをチェックします。
アクセスは来ているのに、メルマガ登録者が増えないということは、サイトのコンテンツや導線に問題があるということですよね。
滞在時間とは
サイトにアクセスしてから離れるまでの時間のことです。
これは、長ければ長いほどいいというわけではなく、コンテンツのボリュームによっては短くなることもあります。
例えば、100文字のページと、10000文字のページでは滞在時間は異なります。
大事なことは、10000文字書いたページがきちんと最後まで読まれているかどうかです。
最後まで読まれていないということは、そのコンテンツが面白くないと判断されている可能性が高いですよね。
再来訪とは
一度アクセスして、セッションが切れたあとにもう一度アクセスが来ることを再来訪ユーザーと言います。
つまり、リピーターが多いかどうかということをGoogleは見ています。
同じ人が何度も見に来るサイトということは、きっと面白いことが書いてあるんだろうね、と判断している可能性が高いです。
SXOは、検索結果の上位に来ることだけを目的としたSEOとは違い、ユーザーがコンテンツを読んだときに満足なのか、不満足なのかを考えることが大切です。
そして、それがSEOに効く時代になってきているということです。
被リンクが効かなくなったという背景にはこういった事情があるわけです。
中身のないコンテンツにいくら被リンクを送っても、もう効果はありません。なぜなら、Googleはもっと先を見ているからです。
あなたがサイトを運営する目的は、きっと売上を上げることだと思います。でも、それはあなたが成し遂げたいことであって、Googleの目的ではありません。
Googleが成し遂げたいことは、一人でも多くの人の疑問をいち早く解決してあげたいということなんですね。
SXO対策!ユーザーは何を知りたいのか?
そもそも、ユーザーはなぜ検索をするのでしょう?
当然、あなたの売上に貢献するためではないですよね。ユーザーは何かわからないことがあったり、知りたいことがあったときに検索をします。
つまり、検索エンジンに「質問」をしているんです。
例えば、検索エンジンでこんなキーワードで検索をしてみてください。
ハンバーグと検索したときに、一番最初に表示されるコンテンツはなんでしょうか?
おそらく、近所にあるハンバーグ屋さんの情報が出てくると思います。
これは、端末の位置からGoogleが勝手に近くのハンバーグ屋さんをまとめて表示させているわけです。なので、1人ひとり検索結果が違います。
以前だったら考えられないことですが、Googleは「ハンバーグ」と検索しただけで、ここまで検索意図を読み取ってくれるんです。
おまえ、ハンバーグ食べたいんだろ?と。
それを象徴するように2位のコンテンツはクックパッドが出てきます。
一昔前ならこんな検索結果ではありませんでした。
どこで検索しても、ハンバーグというキーワードに対してSEOがかかったサイトが出てきていたんですね。
でも、今は大阪で検索すれば大阪のハンバーグ屋さんの情報が、倉敷で検索すれば倉敷のハンバーグ屋さんの情報が出てくるんです。
このことから、Googleは単語に反応しているのではなく、検索ユーザーの気持ちを考えてくれていることがわかります。
「ハンバーグ」と検索する人の多くは、「美味しいハンバーグを食べたい」と考えているであろうと理解しているってことなんです。
より、人間感覚に近づいていると言ってもいいと思います。
これがSXOです。
確かにそうですよね。「ハンバーグ」って検索して一番最初に、ハンバーグとは肉料理の一種でひき肉をうんたらかんたらってサイトが出てきたらイヤですよね。
それに、大阪で検索してるのに東京のハンバーグ屋さん見せられてもイヤですよね。
キーワードから、ユーザーが知りたいことを分析して、真っ先に表示してあげること。
これがこれからの検索エンジンの基準になりそうです。
だから、むやみやたらにキーワードに対してSEOをかけても意味がありません。
そのキーワードで検索してきたユーザーが「何を知りたいのか?」をよく考えて、その質問に対する答えをしっかりと、わかりやすく書いてあげることが大切です。
離脱される前に期待に応えるコンテンツ
また、検索ユーザーはせっかちです。
ひと目見て、そのページが自分の求めている情報かどうかを判断します。なので、なるべくわかりやすいコンテンツを作ってあげることが大切です。
SEO初心者の人は、文字数とか的はずれなことを気にするので、文字数を稼ぐために必要のない文章を入れがちです。
それは、検索エンジンを意識しているだけで、ユーザーへの配慮が足りないですよね。
それに、あれもこれも伝えたいからと言って、情報にまとまりがないのも良くないです。
ファーストビューでユーザーを納得させるコンテンツを作り、スクロールして続きを読んでもらえることに注力しなければなりません。
- 検索ユーザーの質問に対する回答があるか?
- その情報は信用に足るのか?(証拠)
- そして、それは自分にもできることなのか?
このような情報がきっちり書かれていることを、冒頭で伝えてあげることも大切なのかもしれません。
そして、そのためにはユーザーの気持ちをどれだけ理解できるか、というリサーチ力が大事になってきます。
このキーワードで検索してくる人は、まず何を知りたいんだろう、そしてどんな言い方をすればわかりやすいだろう。
このように、ユーザー目線で考えながらコンテンツを作っていくことに力を入れていくことが大切だと思います。
もしも、あなたがサイトを運営していて思うような結果が出ていないのであれば、SEOばかり意識しすぎてSXOを考えれていないからかもしれません。
キーワードはやっぱり大事!
SXOを成功させるには、ユーザーが満足するコンテンツを作るだけでは不十分です。
そのコンテンツにたどり着くためには、どんなキーワードで検索されるかをしっかりと見極めなければなりません。
ただ、このキーワード選定はこれまでのSEO対策と同じです。
サーチコンソールを使ったり、関連キーワードツールなどでよく検索されているキーワードを調査し、そのキーワードとコンテンツをマッチさせることが大切です。
読者にとって使いやすいサイトを目指す!
以前のSEO対策では、Googleにとってわかりやすいサイト構造を目指そうというのが主流でしたが、今はユーザーファーストに切り替わってきています。
ユーザーにとって読みやすい、わかりやすいサイトは、Googleにとってもわかりやすいってことです。
間違えてはいけないことは、「売上を上げるためのサイト」を作ろうとすることです。
先程も言いましたが、Googleはあなたの売上に貢献するためにあるのではなく、読者の悩みを解消するためにあります。
そのことを理解して、読者の役に立つコンテンツを作り続けていけば、自然とユーザーの検索体験の満足度も上がるはずです。
SEOで上位表示を目指すことも、もちろん大事です。
でも、SXOを意識してユーザーに優しいコンテンツを提供するサイト運営者が増えれば、検索エンジンをもっと便利に使えますよね。